晶子碑悲し               2013.06.28
旧五ノ町交番裏手 六ノ町土手に設置されている『与謝野晶子歌碑』が荒れ放題だ。
与謝野晶子が信濃川と五十嵐川の合流するこの地に立ち 夕日の素晴らしさに感動し詠んだ句
『 黒雲と 越の大河の 中にあり 珊瑚の枝に 似たる夕映え 』
ここを訪れ そのきれいな夕日に手を合わせる人や ベンチにたたずみ夕日に見とれる人の姿が絶えない場所だった。
近年の二度にわたる大水害 大きな被害を及ぼしたが その後 爪跡を残しながらも 夕映えの美しさを大河の水面に映し続けていた。
その後 信濃川と五十嵐川の改修に伴い土手が嵩上げされたため この公園から夕日を写す川面が見えなくなってしまった。
先日 夕日を撮影に出かけると 公園のベンチに荷物を置き周辺を観察しながら悲しそうな表情に暮れる初老の男性を見かけた。
その人は 何年ぶりかにここに来てみたと言い あまりにも変わってしまった公園の眺めに嘆いておられた。
『 なぜ 土手の嵩上げと一緒に公園を盛り土し 土手と同じ高さにしなかったんでしょう。 』 と・・・。
私も づ〜っと同じ思いでいた。
今でも 週一で撮影に訪れるが 会う人も少なくなったこの場所で交わす言葉は この男性と同じ言葉だ。
国土交通省 県の土木課 三条市 それぞれの絡みで難しいところがあるように聞く。
行政頼りにし 公園の草の一本も刈ろうとしない自分が言うのもおこがましいが 何か方法は無いものだろうか・・・。
この状態では 彼の与謝野晶子も嘆き悲しんでいることだろう。