宮城から             2015.03.21
仕事前 少しの時間を見つけ鍛冶道場に顔を出すと 一組の親子が和釘造りを体験していた。
子供たちの お兄ちゃんは5年生 下のお姉ちゃんは2年生という。
真剣な眼差しで作業に取り組んでおり 下のお姉ちゃんにあっては 
真っ赤に焼けた鉄をものともせず 上手に金槌を振っている。
講師の五十嵐さんも この子は筋が良いと盛んに感心しておられた。
上のお兄ちゃんも できあがった和釘を嬉しそうに手にしている。
何度もここで 市内の小学生の和釘造りを見てきたなかで 
こんなに嬉しそうな子供たちの表情を見ることも珍しく思い
聞けば 宮城県名取市から来られたと言う。
名取市といえば 震災時の名取川の津波の被害を何度も目にしている。
幸い このご家族の家は少し高台にあり 被害は免れたという。
震災後に 名取市が行った『なとり鎮魂灯篭流し』に 灯篭を寄付させてもらったと告げると
「ありがとうございました。全国の皆様からご支援をいただきました。」と感謝された。
もう少し話したかったが 開店が迫り 気をつけてお帰りくださいの言葉掛けで 帰ってきた。
どういう経緯で鍛冶道場に来られたのかも聞きそびれたが
このご家族の様に 多くの被災された方々も 震災の傷を一日も早く癒やし 
こうして旅行に出かけられるようになってほしいと 心から願っている。